Tokyo Otaku Modeフォトグラファーが教える写真が確実に上手くなるための 8つのマインド

いい写真を撮るのは難しい!! なんて思い込みにすぎない!(断言)

Tokyo Otaku Modeのフォトグラファーのハラです。
ふだんはTOMが運営するECサイトの商品写真の撮影を担当しています。

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僕は15年間、プロのフォトグラファーとして活動していますが、会う人に必ず同じことを言われます。
「写真、教えてください!!!」
「どうやったら上手な写真が撮れますか?…」
そして、続けて言われるのが…
「絞りとシャッタースピードがーーー」
「構図って難しいですよねー」
で、最後に言われるのが…( 頑張って頑張って説明したあと…)
「やっぱりプロは違いますね…」
または
「今度、教えてもらった通りに撮ってみます!」(数カ月後「写真教えてください!」ってまた言われる)
はい、もうやめましょう!! 断言します! 写真は難しくありません!!超カンタンです!! プロは特別でもなんでもありません!カメラだって高級なものでもありません。今回は、その“真実”を 8枚の写真を見ながら説明していきます。最後まで読めば、確実にいい写真が撮れるようになるでしょう!!

改めて言います!
写真は超カンタンなものなのです!!

※ 掲載されている写真はすべて Tokyo Otaku Modeのフォトグラファーのハラが撮影した写真です。

1.ピントが合っていなくても大丈夫

水たまりに映る太陽を撮った写真です。ピントを最大限に外しました。
ピントをマニュアルにして、ボケボケになるほうにピントリングを回しただけです!
写真を撮る際にはとくに、”ファインダーから見ている絵がそのまま写真になる”ということを意識してください。

ピントが合っていないときには、ピントの合っていない写真が撮れます。
この写真は水たまりに映る太陽のピントを外し、わざとボケボケに撮影しました。
(雑誌等でモデルさんの背景だけをボカした写真を見ることがあると思いますが、これは背景だけでなく、写真全体をボカしています)

ファインダー越しの水たまりに映る太陽をひたすらボカす。
あとは、光が一番キラキラした瞬間にシャッターを押すだけです!

(ISO 100 1/8000 f2.2 50mm)
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2.明るさ(露出)があってなくても問題なし

スタジアムでサッカー観戦時、ハーフタイム中に突然花火が上がり、 慌ててカメラを向けて撮った写真です。カメラの設定を合わせる時間がなかったので… オーバー気味な明るさ(露出)になってしまいましたが、それにより花火の儚さや美しさが、よりドラマチックに演出される結果になりました。

花火が上がった→慌ててカメラを取り出した→シャッターを押した→明るさがオーバー気味な写真が撮れた…。
これは失敗ではありません。
カメラの設定を変える前に目の前の花火を撮ろうと思った!!
こう感じた瞬間に、気持ちを込めて撮影したからこそ、いい写真が撮れたのです。
写真の明るさや暗さにばかり神経を使い、結果的に撮影に失敗にするのは非常にもったいないと言わざるを得ません。

(ISO 3200 1/30 f4.5 50mm)
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3.ブレていてもOK!!

ミュージシャンの友達が、寝起きにいきなりギターを弾き始めました。
寝ぼけ眼でシャッター切ったので当然ブレブレです。
でも、そのブレがギターを弾く手の躍動感を生み、迫力のある写真になりました。
音のない写真から音が聴こえてきそうです。
(二日酔いに響くので、早朝ギターは本当にやめてください…)

(ISO 200 1/15s f1.4 50mm)
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1〜3では
『ピントは合ってなければならない』『露出(明るさ)は適正でなければならない』『ブレた写真はいけない』
という写真の“三大御法度”が、場合によっては写真の演出になるという典型的な例を取り上げました。
いい写真を撮ろうとするあまり、『〜しなければいけない』『〜してはいけない』という意識にとらわれ、シャッターチャンスを逃してしまうことだけは、できるだけ回避するように心がけましょう。

写真は瞬間を切り取る行為です。二度と訪れることのない一瞬を残すことができます。
ボケボケでも 明るすぎても ブレブレでもその写真はその瞬間にしか撮れない写真です。
そして、デジタルカメラであれば、フィルム代も現像代も要りませんし、その場で確認をすることもできます。
気に入らなければあとで消すこともできます。

写真に失敗はありません。
どんどんシャッターを切っていきましょう。

4.写真はシンプルに

旅先で人の写真を撮る場合、景色を入れたい! 全身を収めなきゃ! 天気もいいから空も入れたい!…と誰もが欲張りたくなるもの。しかし、いざ撮った写真を確認してみると、人が小さくて表情が見えない…これなんの写真?となってしまった経験は、けっこうあるのではないのでしょうか?

写真はシンプルであればあるほど美しいのです。
シャッターを押す前に、僕は(私は)今この瞬間、何を写真に残したいのだろう? 撮りたいんだろう? と、考えてみてください。

この写真を撮った当時、僕は忙しい生活に疲れていました。
たくさんの綺麗なマーガレットのなかにある、ポッカリと空いた穴が自分の心の穴のように感じられ、中心に置いてシャッターを押しました。シンプルにすることにより、何かを訴えかけてくるような雰囲気を持たせることができました。

(撮影データ不明)
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5.シャッターチャンスはそこかしこに転がっている!

写真好きな人がお祭りや山や森に出向き、写真を撮ることはよくあることだと思います。
おそらく、いつもと違う光景や風景にシャッターを押す回数が増えることでしょう。

写真好きな人がよくお祭りなどに出かけるのは、日常とは違う場所や機会を経験することにより、心が動く瞬間を増やしているからだと僕は考えます。だから、旅行中にはいつもよりたくさんの写真を撮るのです。
外国人観光客が、僕らが日常だと感じている景色に触れればそれは特別に映るでしょう。
当然、僕らが外国にいけば彼らの日常が特別なものに映ります。

ふだん日常だと感じているものも、実は二度と戻ることのない特別な瞬間です。
旅行者や訪問者のように“旅人の目”を持てば、シャッターチャンスは無限に広がります。
つまり、写真は特別な場所に出向かなくても撮影できるということです。

この写真は、いつも通る道の壁に描かれたりんごの絵を収めたものです。
この日は西日が差していて、歩く人の影が壁にくっきりと映っていました。
歩く人が目をかいた瞬間にシャッターを押したので、泣いているようにも見えます。

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6.視点を少し変えるだけで面白い写真は生まれる

この写真は、左と右でまったく違う2枚の写真のようにみえますが実は1枚の写真です。
右の道路の写真は古い広告の看板でした。
何気なく歩いていると見逃してしまうような場所でも、写真的な視点で見ると面白い被写体はどこにでもあります。
シャッターを押す前に、例えばしゃがんで低い位置からファインダーを覗いてみる。
被写体に対して寄れるとろまで寄ってみる。
逆に距離をおいて引いて見てみる。
などなど、さまざまなアングルや見方を変えて観察することにより、面白い写真は無数に生まれます。

この写真はボロボロになった看板を“1つの世界”として見たことで、2つの世界 、2つの進むべき道が混じり合っているかのような、不思議な構図になりました。

(ISO800 1/60s f/16 50mm)
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7.写真にストーリー性を持たせる

友達カップルを2人の家に撮りに行ったときの写真です。
2人が実際に写っていなくても、この写真からは2人の仲の良さがうかがい知れるでしょう。
さらに、写真左上に落ちているゴミが2人の生活感を垣間見せてくれています。

いい写真(綺麗な写真)を撮ろうとしてゴミを片付けてしまう人もいると思いますが、こういったリアリティーが写真により深いストーリー性を持たせてくれることもあるのです。
一瞬を切り取る一枚の写真には、必ず前後に時間の流れが存在します。
シャッターを切る瞬間に、それを強く意識してください。
日々徹底すれば、写真の質は一気に向上するでしょう。

(ISO1600 1/30s f/2.8 56mm)
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8.写真に感情は写る

「料理を美味しく撮るにはどうしたらいいですか?」
最近よく聞かれます。僕の答えは、
“いい写真を撮ろう!!” って思いながら 撮るのではなく “美味しそう~!!!!!!!!”って思いながら撮る、です。
15年間プロとして写真をやってきて “写真に感情は写る”というのは、僕が確信している嘘みたいな事実のひとつと言うことができます。

この写真は特別なライティングは施していません。
ただただ”美味しそう!!!!! 早く食べたい!!!!!”って思いながら撮っただけです。
ひとつだけポイントを挙げると、一番美味しそうなところにピントを合わせグッと寄り、余計な部分は省くということでしょうか。

ここのラーメン、本当に美味しかった…。今まで食べたラーメンのなかでも3本の指に入ります。
長野県にあります…。
「はぁ~、ラーメン食べたい…」

(ISO800 1/60 f/11 70mm)
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[まとめ] カメラを持っていれば誰でもフォトグラファー

一眼レフカメラ、コンデジ、スマホのカメラ…。
現代ではカメラをひとつも持っていない人はあまりいないのではないでしょうか… 。
昔、カメラは高級品で、 写真を撮るにも特別な技術や知識が必要でした。
現代ではフイルムからデジタルに変わり、特別な技術はあまり要らなくなりました。
シャッターを押せば誰でも写真が撮れます。
そして、撮った直後に写真を確認することができます。
思った通りに撮れなかったら、撮り直せばいいだけです。
あとから現像ソフトや画像編集ソフトで、明るさや色を変えることもできます。

今回説明した1~8のポイントをほんの少し意識するだけで、写真は格段に上手くなるでしょう。

綺麗!! 楽しい!! 面白い!! かっこいい!! 大好き!! そして、寂しい…悲しい…切ない…。

何かに心を動かされたとき、手に持っているカメラのシャッターを押してみましょう。
その写真はきっと写真を見た人の心も動かす”いい写真”になると思います。

最後に…。

写真は超カンタンなものです。
そして、 めちゃめちゃ楽しいものです!!

次回は、初心者こそオススメしたいRAW現像について書いてみたいと思います。

いかがでしたでしょうか。
Tokyo Otaku Modeでは、こういった写真1枚1枚にも愛を持って日々の撮影に取り組んでいます。

ただいま、メンバー募集中です。カメラ撮影に興味のある方も、ぜひこちらからお問い合わせください。

[おまけ]

下に続く写真は僕が撮ったお気に入り写真達です。世界はこんなにも美しいのです。
さあ、カメラを持って町へ出よう!

(ISO1000 1/6500 f/5.6 105mm)
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(ISO200 1/200s f/11 44mm)
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(ISO200 1/640 f/2.8 52mm)
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(撮影データ不明)
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