スタートアップに適性のある人材が持つ素質と条件

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こんにちは。Tokyo Otaku Mode(以下TOM)の坂入です。

今年の5月から縁あってTOMにJoinすることになった私ですが、その前はmixi Inc.で働いていました。mixiと言えば、皆さまご存知の通り、かつて国内ネットサービスに旋風を巻き起こし、「mixi疲れ」なる流行語まで生み出したSNSを生み出し、現在は「モンスターストライク(モンスト)」の大ヒットで再び注目を集めている大手インターネットサービス企業です。

私はそこに新卒から約7年というIT業界にしては比較的長い期間在籍していました。mixiに入社した2007年当時は東証マザーズへの上場翌年で、注目の「新興IT企業」として頻繁にメディアで話題になっていたことを覚えています。実はmixiは、1997年に求人サービスの「Find Job!」を立ち上げ、その2年後にイー・マーキュリーという社号で会社を設立しているため、決して新興企業というわけではなかったのですが、SNS「mixi」が単体で大きな注目を集めていたことで、そのような取り上げられ方をされていたのでしょう。

いまとなっては複数のグループ会社を抱え、いわゆる大企業に分類されるまでに成長したmixiも、2007年当時は100人にも満たない従業員数で、世間的に見ればまだまだ「ベンチャー」「スタートアップ」といった冠の付く企業でした。その後の3~4年間で、SNS「mixi」のユーザー急拡大に合わせるように、会社や組織は急激に成長。その過程でさまざまな経験を重ねることができました。もちろん、そこで得られた経験はいまも私のなかで大きな財産となっています(さらにその後の停滞期~再成長期に至る過程でも非常に面白い経験をできましたが、これに関しては主題と外れるため割愛します)。

TOMという本当の意味でのスタートアップに参画することになったとき、やはり入社前は人並みに「どんな人が集まっているのだろう」「なじめるだろうか」と一抹の不安も抱えていたわけですが、いざ飛び込んでみると人も会社も前職の雰囲気(とくに2007年から数年)に近いものを感じることができました。そしてその悩みが杞憂に終わったあと、今度は成長中のスタートアップに集まる人材にはなにか共通点があるのでは?と考えるようになりました。

今回のブログでは、そんな前職での経験ならびにTOMに入って半年経過した現在の印象、そしてこれまで出会ったスタートアップで活躍する方々からお聞きした話を踏まえ、「スタートアップに適性のある人が持つ素質と条件」についてお話していきたいと思います。

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###目次

  1. 情報感度が高い
  2. 変化を恐れない(むしろ楽しめる)
  3. 自社のミッションや事業に共感できる
  4. 多様性のある価値観を共有できる
  5. スペシャリストと変わりモノ
  6. サークル・イベント好き

1. 情報感度が高い

情報のキャッチアップに敏感な人はスタートアップに対する適性がありそうです。

スタートアップでは最新の膨大な情報からビジネスの芽を探し、それをいかにして最短最速で展開して先行者メリットを得られるかが重要なポイントになります。大企業であれば後追いでも資本力を活かしたマーケティングによってシェアを奪う強者の戦略が可能ですが、スタートアップではそうもいきません。

「ある情報から新しいアイディアを思いついたら、世界中で同時に何十人も同じことを考えている」という話を聞いたことがありますが、もしその起点となる情報をキャッチアップできていなかったとしたら、それは致命的な遅れや損失につながることもあります。そういった意味で、情報感度が高い人はスタートアップ向きと言えるでしょう。

またこれは適性云々以前の逆説的な持論ですが、そもそも情報感度の低い人は、スタートアップに応募しようという考えには至らないかもしれません。なぜなら、情報感度が高くないとスタートアップの存在そのものをキャッチできないからです。まれに大きめの投資を得て代替的にテレビ広告でアプリのプロモーションを実施することで、マスに一気に会社の名前が知られるケースもありますが、一般的なスタートアップの認知度は、WEBのニュース媒体の露出や口コミなどから「知る人ぞ知る」程度のものです。

少なくとも、このブログをわざわざ読まれているスクリーンの前のあなたは、その時点で十分感度が高いと推察されます。

2. 変化を恐れない(むしろ楽しめる)

これは他の適性と比べてもとくに重要な点かもしれません。

なぜならTOMに限らず、スタートアップと呼ばれる組織はほぼ例外なく日々さまざまな変化に見舞われるからです。新規事業の立ち上げから戦略ピボット、事業拡大に伴う会社の移転など大きめの変化は当然として、小さなところだと組織変更や席替え、目標修正などはほぼ日常的に発生します。TOMでも多くのスタッフが1年前と違う領域の仕事をしているのが現状です。そのような変化をポジティブにとらえるか、ネガティブにとらえるかはその人次第ですが、スタートアップでは前者のタイプのほうが確実に適性があると言えるでしょう。

私もTOMに入社してまだ半年ちょっとしか経っていませんが、与えられる役割はどんどん変化(拡大?)していっています。そういった変化があるたびに自分自身を成長させていく大変さを感じつつ、一方で新しい経験値が獲得できることを楽しみにもしています。

3. 自社のミッションや事業に共感できる

人が会社に所属して働く理由とはなんでしょうか? 給与、安定性、キャリアアップ、ライフワークバランスなど、人によってさまざまだと思います。それぞれの理由に優劣はなく、価値観の問題です。

ただし、もしスタートアップで働くべきか考えている状況であれば、働こうとしている会社の掲げるミッションやその事業に共感できるか、あるいはコミットしたいと思えるかが、ひとつの判断材料になるかもしれません。なぜなら、スタートアップでは内的なモチベーションを保つことが仕事に取り組むうえで重要な要素になってくるからです。

日々組織や事業が成長を続けるなかでは、常に自分自身もそこに合わせて成長していく力が必須になりますし、時には自らが率先して成長速度を引き上げる役割を担う場面にも遭遇します。そういった環境のなかではエネルギーの源泉が外にある場合はすぐに枯渇しやすいので、やはり内側に持っていたほうがよりコンスタントに成果を出し続けられる可能性が高いのです。

例えば個人の経験でいうと、前職ではmixiというサービスが本当に好きで働いている人が多かったですし、現在のTOMのメンバーの多くも日本のコンテンツを愛していて、それを海外に届けることによって世界中の人にハッピーになってもらうんだという思いを持ちながら、それぞれの部門で必死に頑張っています。

社会的意義のあるユニークな会社には、そこに惹かれるモチベーションの高い従業員が集まり、成果が出て事業が成長し、さらにまた頑張ろうという活力がわく―――そんな好循環が生まれることでスタートアップは成長していきます。内的なモチベーションとなり得る要素はミッションや事業への共感以外にもたくさんありますが、なにかしらそれを見つけられれば大きな強みとなるでしょう。

4. 多様性のある価値観を共有できる

似たようなキャリアを持つ者同士が集まる昔ながらの組織は、日本らしい阿吽の呼吸で仕事ができるなど良い部分もあるのですが、なにか新しいことを始めようとする際には、同じような考えやアイディアが集まる可能性が高いため、まったく新しいなにかを生み出すための化学反応は起こりにくい環境とも言えます。

スタートアップやベンチャー企業は採用基準に独自性があり、その経路もバラエティー豊かです。そのおかげもあってか、実にさまざまなキャリアを抱えた人が集まっているように感じます。ちなみにTOMはインターネットビジネスを主事業としていますが、どっぷりなIT系から来ましたという人はむしろ少数派です。出版・印刷業、証券業、人材サービス業、広告代理店、翻訳家、作家・クリエイター、運送業、そしてインターンあがりの新卒まで、多種多様のキャリアを抱え、かつ多国籍の人材が集まってきています。

そういった環境では多様性をお互いが受け入れ、リスペクトしたうえでコミュニケーションをとっていくことが仕事を進める際の必須条件となってきます。さらに、そういった環境を活かし、自分の知らない領域を積極的に勉強したり、チームとしてシナジーを生み出そうとしたりする意識があれば、さらに適性が高いと言えます。

###5. スペシャリストと変わりモノ
スタートアップでは、スペシャリストとして1対1の勝負を単独突破してくような人のほうが、とくに初期の成長期には活躍しやすいように思えます。

前職では、特に初期のころほどいい意味でちょっと変わったスペシャリストが多かったなぁという印象があります。そういった人たちは成長フェーズでとくに活躍していました。そしてある程度会社が成熟段階に入ると、各自が新たな目標を抱えて会社を立ち上げるなどして独立していく人も少なくなかったです。

ユニークな活躍をしている例でいうと、最近メディアで大いに話題になっている、「日本エクストリーム出社協会」の代表である天谷氏です。実は彼は前職で新卒の同期なのですが、まさに“変わったスペシャリスト”の最たる例と言えるでしょう。

TOMにも似たような傾向があり、一癖も二癖あるメンバーが、皆それぞれの専門性を発揮して活躍しています。組織がある程度成熟した段階ではジェネラリストも必要になってくると思いますが、スタートアップの初期成長期においては、スペシャリストの存在は欠かせないのです。

###6. サークル・イベント好き
勢いのある企業はほぼ例外なく、従業員の課外活動が活発です。福利厚生や余暇時間はあまり関係ありません。

前職でもサークル活動が活発でしたが、TOMに関しても気づくと勝手にサークルが立ち上がったり、ゲーム大会・アニメ鑑賞会が催されたり、ネイティブによる英語教室が開講されたりしています。当然、これらは会社に言われてやるわけではなく、従業員が主体的にやりたいことを自ら進んでやっています。

仕事外での交流は、ふだん仕事上はかかわりのないメンバーとの親睦が深まりますし、いざというときに連携しやすくなるので、非常に有益です。もちろん、そんなビジネス上のことよりも、会社の仲間を巻き込んで好きなサークル活動を始めたり、それに積極的に参加して楽しめるということが大事で、その性質はスタートアップで働くうえでの適性となり得えます。


いかがだったでしょうか? ここに書いたことはまだほんの一部ですが、該当した項目が多いほどスタートアップで働くうえでの適性を備えていると言えると思います。

現在TOMでは、そんなスタートアップに参加して一緒に世界を盛り上げたい!という仲間を募集しています。我こそはと思った方は、詳しい募集内容をご覧ください。

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