Tokyo Otaku Modeフォトグラファーが初心者にこそオススメ!確実に写真がよくなる 超簡単!! RAW現像【後編】

Tokyo Otaku Modeのフォトグラファーのハラです。
前回の「RAWの説明」に引き続き、
RAWでの撮影(現像)は難しい!! なんて思い込みにすぎない!(断言)
その理由を「RAWの説明(前編)」「 RAW現像の具体的なやり方(後編)」のふたつに分けて説明していきます。

###2. 実践!! 超簡単RAW現像のやり方(後編)

  • a. ホワイトバランスについて
  • b. 露出について
  • c. コントラストについて
  • d. 彩度について
  • e. a〜dの組み合わせで撮影時のイメージに近づける
  • f. RAW現像まとめ

2. 実践!! 超簡単RAW現像のやり方

さてここからが本題です!!
僕は突然に落ちました」
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そうです! 僕はに落ちたのです……。

あれっ!? 月子ちゃん(仮名)なんか違くない?
息がつまりそうになり、胸の鼓動だけがやけに大きく聴こえ、
暖かく優しい光に包まれ、目の前の世界が真っ白になった……。
あの瞬間は…もっと美しくて…愛しくて…あれっ!?  あれっ!? えっ!?!?

みなさんにもこんな経験はあるんじゃないでしょうか?
旅先で観た素晴らしい景色。夢中でカメラのシャッターを押したのに、帰ってきて写真を見ると記憶の中のあの景色となにかが違う……。
もっとキラキラしていたはず……。
もっと鮮やかだったはず……。

やっぱり写真って難しいな…(諦め)。

そんなときこそ! RAW現像!!なんです。

あのとき僕が見た月子ちゃん(仮名)を写真に残したい! 表現したい!
月子ちゃーーーーーん(仮名)!!!
僕はおもむろにパソコンを取り出しCapture Oneを立ち上げました。

この記事では僕が使い慣れた現像ソフトCapture Oneを使用しますが、1-cでも説明したように、現像ソフトは撮影したカメラに対応していればどんなものでも大丈夫です。処理できることは大きくは変わりません。
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月子ちゃん(仮名)超可愛いんですけど!! 目が合ったこの瞬間、いまでも夢に見ます。

いまから “僕ら”が見たあの瞬間…君にも見せるから……。
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僕がいつも現像時に使う項目は、ほとんどここくらいのものです。
他のソフトでも同じような項目は必ずあります。

a. ホワイトバランスについて

まずはホワイトバランスから調整していきます。

ホワイトバランス(White Balance, Color Balance)とは、カメラにおいて、さまざまな色あいの光源のもとで、望んだ色調の写真を得るための補正のことである。パランスについて純白の被写体をどう写すか、という点に代表させてホワイトバランスと言う。一般に赤みがかったり青みがかったりといった光源が多いため、赤-シアンを主軸とする「色温度」の調整が主となるが、他色の方向での調整も含む。(Wikipediaより)

カメラにWBと表記されている太陽マークや電球マーク、これがホワイトバランスです。
天候や撮影状況の色温度によって変わってきますが……。
とにかく簡単に言ってしまえば”色”です(笑)。理想の色に近づけばいいのです。
撮影時はカメラ側ではWB(ホワイトバランス)をオートにしておき、RAWであれば、現像ソフトであとから画面で確認しながら調節できます。

まずはケルビンから触ってみましょう。
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ケルビンをいちばん右端まで動かすと
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黄色になりました。月子ちゃん(仮名)カラー☆

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いちばん左まで動かすと
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青くなります。ひやぁ!! 月子ちゃん(仮名)僕のこと嫌いになったの?

ケルビンの下にある色合いを触れば……。
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ピンクや緑になります。月子ちゃん(仮名)ピンクは可愛いし、 緑は不思議な透明感がある!

ホワイトバランスでは、ケルビンや色合いを触って理想の色に(実際に撮影したときに見た色やイメージ)に近づければいいのです。上の4枚を見れば、写真は色によってずいぶんと印象が変わるのがおわかりいただけるでしょう。

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ほんのり恥ずかしそうに赤らめた感じにしました(恋する乙女)。

###b. 露出について

次は露出を調整します。

露出 写真技術において露出(exposure)ないしは露光(ろこう)とは、フィルム、乾板などの感光材料やCCD、CMOSなどの固体映像素子を、レンズを通した光にさらすこと(現在のカメラでは通常シャッターの開閉により、これを行う)。またはカメラのレンズを通過してくる光の総量や、画像そのものの明るさのことをいい、これらはレンズの絞り(F値)と露光時間(シャッタースピード)及びフィルム感度の組み合わせによって決まる。(Wikipediaより)

要するに(笑)明るさです。
明るいか暗いか。それだけの話です。
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最大限に暗くしてみました。
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夕暮れ時に撮ったような写真になりました。月子ちゃん(仮名)から漂うアンニュイ感……。

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撮影時に露出ミスで真っ白になってしまったこの写真も……。
※月子ちゃん(仮名)が可愛すぎて興奮しすぎました。
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RAWであればここまで暗くできます。画質の劣化もほとんどありません。明るすぎたり 暗すぎて失敗した写真でも心配ありません(一緒に眠りたい……)。

###c. コントラストについて

コントラスト(contrast)は、一般にはある注目物体とそれ以外の背景とが区別できるような視覚的な特徴の差をいうが、特に画像においては最も暗い部分と、最も明るい部分の輝度の差のことをいう。実世界の視覚においては、同じ視野内での色または輝度の差のことである。(Wikipediaより)

言葉で説明するよりも(笑)、実際に写真で見てみましょう。
まずはコントラストを最大限まで上げてみました。

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月子ちゃん(仮名)かっこいい!! なんか力強い!! キリッとしています。
次はコントラストを最大限まで下げてみました。
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幻想的な月子ちゃん(仮名)。なんだか夢の世界にいるようです。
僕は個人的に、コントラストの高くはっきりとした写真が好みです。
ただそこには正解はありません。単純に好みの話になります。

みなさんもいろいろと触っていくうちに、自分の好みの写真が生まれてくるはずです。
自分の撮影時のイメージに合わせ、コントラストを決めていきましょう。

###d. 彩度について

彩度(さいど)は、色の三属性の1つで、色の鮮やかさの尺度である。
彩度は基本的に、色空間の中央軸(無彩色軸)からの距離である。無彩色(白・黒・灰色)で0となり、無彩色軸から離れるにしたがい増し、純色で最大となる。また、彩度は色空間における距離なので、色空間に依存する。たとえば、色空間によっては、純色以外でも彩度が最大になることがある。(Wikipediaより)

簡単に言ってしまえば色の鮮やかさです。彩度を上げると色の濃い写真になります。
逆に、彩度を下げると色の薄い写真になります。
彩度を最大限まで上げてみました。
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ハゥアー!! 月子ちゃん(仮名)と一緒に遠い異国の地に旅に行きたくなりました……。

今度は彩度を最大限まで下げてみました
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月子ちゃん(仮名)美しすぎです……。古い映画の女優さんのよう……。

###e. 2-a〜dの組み合わせで撮影時のイメージに近づける
ホワイトバランス、露出、コントラスト、彩度の組み合わせにより、さまざまなイメージの写真に仕上げることができます。目で見て調整できるので、難しい知識は必要ありません。
順番もとくに決まりはないので、好きなように触ってみましょう!

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上の3枚はわかりやすくするために極端に調整しましたが、調整のコツは撮影時のイメージに近づけることです。極端に調整してしまうと、どうしても写真を”いじった感”が出てしまい、写真にリアリティがなくなってしまいます。

月子!!(仮名・呼び捨て) あの素晴らしい愛よもう一度!!

僕は突然
に落ちました」
息がつまりそうになり、胸の鼓動だけがやけに大きく聴こえ、
暖かく優しい光に包まれ、目の前の世界が真っ白になりました。

このイメージで調整すると
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このブログの一枚目の写真。”あの”月子ちゃん(仮名)です(再会)。

###f. RAW現像まとめ
RAWはイメージセンサーから赤、緑、青の3色の色情報をそのまま記録しているので、そのバランスを自由に変更することが可能です。つまり、ホワイトバランスが撮影後に自由に変更できる!ということです。撮影時にホワイトバランスどうしよう…と迷って最高のシャッターチャンスを逃すよりは、家に帰ってじっくり調整したほうが良い結果が生まれると思います。色を捨てていないぶん、明るさも自由に調整可能(※限界はありますが)です。
1-aでも説明したように、JPEGは記録した時点で色をギリギリまで削ぎ落としているため、あとでホワイトバランスや明るさを調整することも可能ながら、無理が生じてしまい、不自然になったり、色合いがおかしくなったりして、最終的には画質が悪化してしまいます。

さらには、撮影後にPCで画像を確認して、ホワイトバランスや明るさ、コントラスト、彩度などを調整することで自分の写真がもっと好きになり、愛情も生まれます。しっかりと確認することで「もっとこうすればよかったなー」という反省にもつながるので、写真の上達スピードも絶対的に早まるでしょう。
RAWで撮ったからといって全部の写真を調整する必要はない
僕はRAWで撮ってきたらまずはパソコンにすべてのデータを保存し、現像ソフトでチェックして良さそうなカットを選択します(この時点では調整しません)。そのなかで本当に写真として残したいものや気に入ったものだけに対し、調整をかけて適正のサイズにJPEG変換(現像)してプリントしたり、例えば今回のブログに掲載したりしています。
PCに表示された画像に調整の必要がなければ、まとめて「JPEG変換」すれば大丈夫です。

☆最後に写真がもっと楽しくなる方法を、この記事を最後まで読んでくれた
あなたにこっそり教えます。
デジタルカメラ時代になったいま、写真を撮ってもカメラやPCのなかに保存したままになっていませんか?(フィルム時代なら、必ずプリントした記憶があると思います)
撮ってきた写真を全部プリントする必要はないと思いますが、RAWで撮影して気に入った写真があれば、今回解説したように現像ソフトで納得がいくまで調整し、JPEGに変換した写真(RAWのままではプリントできません)をぜひプリントしてください。それはあなたにとってかけがえのない一枚となるでしょう。アルバムに入れて思い出に残すのもいいと思いますし、額に入れて部屋に飾るのなんてのも最高です(世界にひとつしかないインテリアです)。
プリントした写真を誰かにプレゼントしたら、きっと喜ばれることでしょう……。

写真はプリントして初めて”完成”する(名言)

繰り返します。
写真もRAW現像も超カンタンなものです。
そして、めちゃめちゃ楽しいものです!!
恐れることはなにもありません。
バシバシ撮っちゃいましょう!!

###[おまけ]
先月、TOMの北米倉庫の立ち上げのため、商品撮影をしに1カ月間LAに行ってきました。下に続くのはその1カ月間で撮ってきた写真です。もちろん、RAWで撮影して現像ソフトで調整しています!!

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(ISO 200 1/250s f/8 70mm)

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(ISO200 1/200s f/8 70mm)

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(ISO200 1/800s f/8 70mm)

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(ISO400 1/80s f/22 70mm)

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(ISO800 1/250s f/8 38mm)

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(ISO500 1/800s f/2.8 58mm)

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(ISO200 1/1600s f/8 62mm)

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(ISO200 1/50s f/8 70mm)

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(ISO200 1/1000s f/8 42mm)

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(ISO200 1/50s f/8 70mm)