アルコール片手に勉強会!『東京OtakuMode学園#1』潜入レポート

9月19日(金)の夜、Tokyo Otaku Mode(以下TOM)オフィスにて『東京OtakuMode学園#1』が開催された。これはTOM開発チームが手掛けた初のイベントで、TOMという組織のことをもっとよく知ってもらうために外部の方をお招きし、沿革や事業内容を紹介するとともに、エンジニアリングやデザインに関する情報や技術の共有を図ることを目的とした、エンジニア・デザイナー向けの勉強会である。エンジニアを対象にしたイベント告知サイトで参加者を募集。この日は10名を超える方が訪れることになっていた。今回は潜入レポートというかたちで、このイベントの模様をお伝えしていく。

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それにしても、『東京OtakuMode学園』という“してやったり感”にあふれたネーミング……。「突っ込んでくださいww」という主催者のニヤケ顔がありありと目に浮かんだので、思い通りにはさせないぜ!とばかりに、取材当日、本件についてはあえてスルーを決め込むことにした。「くっくっく。なんなら、新宿駅西口付近にある某専門学校に通報しちゃってもいいんですぜ」と心の中でつぶやきながら……(TOMがプログラミング言語として採用している、Node.jsの大規模イベント名にも、ネーミングを掛けていることを補足しておく)。

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18時45分、会場に到着。イベントは19時に受付開始、19時30分に開会の予定となっているので、参加者はまだ訪れていない。なにぶん、初の試みだからということもあるのだろう。会場は準備万端で整然としているかと思いきや、テーブルや椅子の設営、機材の準備に追われるTOMスタッフの姿がそこにはあった。「なにもかもが手探りなんですよ~。椅子の配置だけで、かれこれ3~4回はチェンジしています(汗)」。気持ちはわかる。が、タイムテーブルが公表されている以上、間に合わせなければならない。動き回るスタッフの様子を見ているうちに、なんだかこちらもソワソワとしてきた。

19時5分、ようやく会場の準備が整った。受付開始時刻は過ぎてしまったが、幸いにしてまだ1人も姿を現していない。間に合った。これにてひと安心。あとはゲストの皆さんの到着を待つだけである。が、しかし……。待てど暮らせど誰も来ない。「え? これってまさかの……(苦笑)」。スタッフの1人がポツリともらし、会場に微妙なムードが漂う。いやいや、いくらなんでもそれはないでしょう。誰もがそう信じていたと思うが、比べる前例がないだけに、こういうときは必要以上に不安になるものだ。

19時14分。1人目の参加者が来場した。間髪入れず、2人目も。スタッフは安堵の表情を浮かべながら、ゲストを会場に案内。ウエルカムドリンクを手渡していた。と、ここでひと言ツッコミを。ん? それってビールじゃん! そうなのだ。ビールなのだ(希望によりチューハイ系も選択可)。アルコール付きの勉強会とは、なんとステキなことか。お酒を勧められて戸惑う参加者に、「今回のイベントは堅苦しい感じにするつもりはありません。肩の力を抜いて楽しんでもらうことも目指しているので、当然アルコールはアリです(笑)。どんどん飲んじゃってください。あと、お寿司とピザも用意してあるので、そちらもぜひどうぞ!」と説明するスタッフ。これぞまさに“TOMスタイル”といったところだろう。高い志を持って真剣に物事に取り組みつつも、和気あいあいとした雰囲気も大事にする―――そんなTOMの社風をダイレクトに感じ取ることのできる一幕だった。あ、もちろんお酒が飲めない方にはソフトドリンクが提供されていましたよ。念のため。
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19時20分。この時点で受付を済ませた参加者は2人のまま変わらず、スタッフの顔に焦りの色が出始める。しかし、ほどなくして3人目が到着してからは、堰を切ったかのようにゲストが矢継ぎ早に来場。開始予定時刻の19時30分ごろには、ほぼ予定していた人数が集まることとなった。一時はどうなることかと思ったが、これにて無事に開会できそうである。そして、CTO関根雅史氏の挨拶を皮切りに、記念すべき『東京OtakuMode学園#1』がスタートした。

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まずは今回のイベントの主旨と注意事項を説明。そして、プロジェクターを使って「5分でわかる!Tokyo Otaku Mode」なるスライドショーを流し、TOMという会社について、端的かつ明快に、関根氏が解説していった。参加者は皆ひざの上にPCを置き、メモをとりながら熱心に話を聞いている。「TOMは、アニメ・マンガ・ゲーム・音楽など 日本のポップカルチャーを全世界へ発信するサービスを手掛ける会社で、実は外資系企業です。具体的には、○○ということや□□ということをやっています」。ふむふむ。非常によくわかった。筆者も参加者の一員になったつもりで、関根氏の話に聞き入っていた。

19時48分。関根氏の挨拶→会社説明終了後は、開発チームのスタッフによるプレゼン(ライトニングトーク)タイムに突入。トップバッターはTOMエンジニアの堀木洋志氏で、テーマは「あのファンファーレを流すのはRaspberry Pi」だった。シドニア観賞会part1でも触れたように、筆者はエンジニアリングに関する詳細な知識をいっさい持ち合わせていない。よってここからは、プレゼンの細かな内容ではなく、会場全体の様子や雰囲気に焦点を当て、イベントの進行状況を駆け足でお伝えしていくことにする。

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堀木氏はRaspberry Pi(シングルボードコンピュータ)を使って、音を鳴らす方法ならびに声を出す方法を紹介。その筋の方々にとってこれはなかなか斬新なトライのようで、参加者の反応(ウケ)はかなりのものだった。その場でコードを書き、実際にドラクエのレベルアップのファンファーレを鳴らした際は、「おおっ!」という声とともに全員が拍手。プロジェクターを巧みに利用したテンポの良い堀木氏のトークは、非常に完成度が高かった。


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二番手として登場したのはTOMエンジニアの三河正宜氏で、テーマは「process.nextTick 詳細解説」。ぷろせすねくすとてぃっく? 正直、なんのことやらさっぱりだが、参加者の関心度は高いようで、誰もが食い入るように三河氏の話を聞いている。ひと言、皆熱心である。飲みながら、食べながら、を積極的に実践しているのは、実は会場後方の“立見席”に陣取る非エンジニア系のTOMスタッフだったり(笑)。


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三番手は9月のアタマにTOMにジョインしたばかりのエンジニア新舘邦貴氏で、テーマは「Tokyo Otaku Modeにジョインして19日経った所感」。新舘氏は、TOMに興味を持ったキッカケ、ジョインに至るまでの経緯、ジョイン後に携わった業務の内容や感想などについて、簡潔に語ってくれた。多くの参加者が「もしかしたら近い将来、自分も同じ立場になるかもしれない」という思いもあったからか、さらに集中した様子で、スクリーンに映し出されるスライドショーを凝視していた。その姿がとても印象的だった。


四番手はTOMエンジニアの重岡正氏で、テーマは「Monky入門 - Mongoose向けのテストデータの準備」。こちらは、内容が専門的すぎて、筆者的には理解不能。だがもちろん、参加者は真剣なまなざしを向けている。スライドショーの端々に、スパイスの効いた漫画の一コマを挿入する重岡氏のセンスもお見事だった。


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五番手は謎のロシア人、もとい、TOMデザイナーの今吉勇揮氏で、テーマは「デザインとは」。今吉氏は、今回プレゼンを行ったメンバーのなかで、唯一デザイナーという立場で登場し、本質的かつ型破りな持論を展開してくれた。現れるやいなや、いきなりロシア語で挨拶。会場は大爆笑(一部失笑&一部ぽかーん)。「今日ここに、デザイナーさんはいらっしゃってますか? 皆さん、エンジニア系ですね? よしっ! 好き勝手言って大丈夫ですね!(笑)」。「正直、現状TOMのサイトのデザインはイケてないので参考にしないでくださいねー (笑)」。「常に変化しているプロジェクトですべてにおいて完璧を求めるとストレスでハゲますから」。「”かわいい”が作れるんだから、センスも当然作れます」。等々、自虐&ノリノリトークで構成された今吉氏のプレゼンタイムは、終始笑いが絶えなかった。その一方、「デザインは問題解決、アートは自己実現と言われています」という重みのある言葉も披露。うんうん、勉強になるなぁ。そして最後は、ロシア語で締めの挨拶。言うまでもなく、会場は大爆笑(一部失笑&一部ぽかーん)だった。


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続いては関根氏が再登場。テーマは「1秒間に250通のメールをさばくAWSの使い方」。簡単に言うと、送信先がとてつもない数に上るメルマガ等のメールを、いかに安く、いかに速く一括して送信するかに関する話だった。誰もが関心を持つ案件ということもあってか、会場はこの日いちばんの静寂モードに。参加者のみならず、TOMスタッフも含め、その場にいた誰もが関根氏の解説に耳をそばだてていた。技術的な話はよくわからんが、とにかくすごい。そんな方法があるんだな~。これが筆者の率直な感想である。


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トリを飾ったのはTOMインターン生のエンジニア丸山有彗氏で、テーマは「TOMのメンバーは本当にオタクなのか」。はい、めちゃくちゃ面白かったです。コードやらなにやらの専門的な話はいっさいなし。TOMの開発チームの面々を紹介、という名目でひたすら先輩をイジリ倒す秀逸極まるライトニングトーク。会場は爆笑の連続。前フリ、オチ、ノリツッコミ、自虐ネタから結論に至るまで、実に見事にまとまっていた。冒頭で「緊張している」と言いつつも、しゃべりはいたって流暢。「やべー、クオリティ高すぎる。インターン生のほうが面白い。負けた……」と、筆者の横で苦笑いを浮かべる堀木氏の言葉が、丸山クンのズバ抜けたプレゼンセンスの良さを物語っていた。改めて言う。めちゃくちゃ面白かったです。そして、TOMの開発チームは、関根さん以外、全員オタクだということがわかりました(笑)。


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こうして、『東京OtakuMode学園#1』は無事に終了した。1人5分の持ち時間をほぼ全員がオーバーし、予定よりも終了時刻は押してしまったが、充実した内容だったので、そこには目をつぶるべきだろう。おそらく、参加者の皆さんも有意義な時間を過ごすことができたと思う。イベント終了後は、参加者とTOMスタッフを交えての懇親会に移行したのだが、実際に「来てよかった」と話す方も多かったという。

TOMという組織が目指す方向性と思い描く未来のヴィジョン、スタッフのモチベーションの高さと勢い、おおらかさと楽しさに満ちあふれた社風―――ひと言で表現すると“TOMの魅力”が存分に伝わってくる会だった。『東京OtakuMode学園』の第2回が開催されたら、コッソリと参加の申し込みを……(笑)。そんなこんなを考えながら、家路についた筆者であった。

告知

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