Groupon大成功の背景にあった、絶対に学ぶべき3つのこと

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みなさんは、Grouponを利用した事があるでしょうか。一時期大々的な宣伝を街で行っていおり、インターネット上の広告枠でも名前を見たことがあるかもしれません。このGroupon、発祥はシカゴのオフィスの一角から。共同購入にはユーザーが不可欠です。彼らの取ったユーザー獲得方法から、今回はビジネスヒントをもらいましょう。

※この記事は、Quora(米国のQ&Aサイト)に投稿されたものを、私たちTokyo Otaku Modeが日本語に翻訳したものです。執筆者はMarkus KirjonenさんというUIデザイナーの方で、スタートアップについて多く書かれています。私たちはMarkusさんから許可をいただき、この投稿を日本語に翻訳して日本で発信する機会を得ることができました。合計6回にわたり、有名スタートアップ企業がどんな方法で新規ユーザーを手に入れたのかについて、実例をもとに紹介していきます。

第一回:Dropbox編 / 第二回:Quora/reddit編 / 第三回:Foursquare編

Groupon社初のホリデイパーティは、CTOであるKen Pelletierの自宅で開催された。社員やゲストたちのために、彼自らが腕をふるい料理をもてなしたという。その翌年。300人を超える従業員たちのために、彼の自宅でパーティを開くのは少々無理があった。ではその翌年は?5000人もの従業員を抱える彼に、ホームパーティーは無理だろう。

「今日のセール」を売りにするGrouponは、シンプルなコンセプトを元にしているのにも関わらず、どうやってこんなにも急成長を遂げたのだろうか。史上最速ともいえる早さで成長を遂げたGroupon。私たちが彼らから学ぶことは何だろうか。

##Grouponとは
現在、Grouponには1万人以上の従業員がいる。売り上げは数千億円にものぼり、大成功した企業だが、元々は小さく謙虚なスタートだった。Grouponの発祥は、The Pointと呼ばれる小さなウェブサイトからだ。

Andrew Masonは、2007年の初め頃から、人々が集まり問題を解決する、問題解決コンテンツのウェブサイトを始めようとしていた。Masonはその頃、Eric Lefkofskyの会社、InnerWorkingsで開発チームの1人として働いていた。MasonはLefkofskyにウェブサイトのアイディアを提案。100万ドルの支援を貰い、雇用主のLefkofskyの後援のもとにウェブサイトは発足した。

ところが、期待とは裏腹に、現実はうまくいかなかった。サイトはあまり注目を集めることができず、Mason、Lefkofsky、従業員たちは毎週会議を開き、状況を話し合った。結果、問題はウェブサイトが何にも特化していないところにある、と結論が出た。様々な問題に関してのキャンペーンを打ちすぎており、特に誰も興味を抱いていないキャンペーンも多く存在していたことに気付いたのだ。だがその中に1つ、Lefkofskyの目を引くキャンペーンがあった。

それは、節約術についての話だった。ある商品を購入する際に、どの方法が最も節約になるのか。人々が興味を示していたのはその話題についてだった。そこで彼らは考えた。
同じ商品を購入したいと考えている人を多数集める事が出来た場合、グループ割引のようなものが出来るのではないか、と。
会議を重ね、彼らは思い切って別サイト、Grouponとしてその話題に特化したページを立ち上げることに決めた。

その翌年には、Grouponは爆発的な成長を遂げる。この記事では、何がGrouponを急成長させたのかについて、詳しく見てみていこうと思う。

###わかりやすく、質の良いオファーを。
Masonが最初に立ち上げたThe Pointというウェブサイトの問題は、一貫性がないところにあった。キャンペーンによって質や目的が全く異なっており、人々は何が良い物なのかわからない。

Grouponの開発チームは、この問題に習いサービスを開発していった。共同購入を促進するだけでは足りないと考え、サイト上でのキャンペーンの厳選を自分たちで行うことにした。
また、値下げのオファーを1日1つに限定することで、ユーザーが少なかったにも関わらず成功へと繋がることとなった。大きなコミュニティではなかったため、1つのオファーに絞り込むことで、結果を出す事ができたと考えられる。

###地域をターゲットに
また、もう1つ彼らが成功した理由として、地域を限定してマーケティングをしたことだ。Grouponは約500人の人が働くオフィスでその事業を開始した。もちろんその500人という数はGrouponの社員だけではなく、The Pointの社員や他のビジネスの社員も働いていた。そのため、なにか新しい方法を使うよりも、彼らと交渉してビジネスをする方がはるかに効率良く仕事を行う事ができたのだ。Groupon最初のキャンペーンは、超限定的でオフィス内でのもの。オフィス1階にあるレストランの、ピザ半額キャンペーンだった。

Masonによると、最初のドットコムブームの間に、共同購入がどう起こったかが非常に影響したという。AmazonやWalmartの価格競争を勝ち抜くほどの会社はなく、他社は千人程度の共同購入を交渉しても、巨大な会社の圧倒的な価格競争力に勝つ事はできなかった。

Grouponはそこに目をつけ、今やどこでも買える製品を安く売る事よりも、その土地や地域にしかないユニークなものに特化していくことにした。これが交渉に好影響を与えた。テレビやパソコンなどを低価格で売るためには、相当な数の購入意欲のある人が必要だが、地域限定のオファーは違う。そういったマーケティング方法に手を出した事もないようなビジネスも多く、穴場となっていたのだ。

###メールを活用する
Grouponが再重要視しているのがメール。今だって、ユーザー登録をしなければセールの情報を手に入れる事はできないようになっている。そんなことをしたら、ユーザーにうんざりされてしまうのではないか?と心配する人もいるだろうが、Masonはそれだけの価値がある、と考えている。なぜだろうか。

メール上のリストがなかったことを考えよう。初めて気まぐれにGrouponを訪れた人は、ページ上で何も欲しいものがないかもしれない。メールがなかった場合、そこでその客とは永遠にさようなら、になるかもしれない。だが、メールのリストに入っていれば、将来的に何か欲しいものがメールで見つかるかもしれない。複数回にわけて、違ったオファーをメールで打つことも可能。そうすることで、何か興味を引くものに巡り会う機会を増やす事ができるのだ。

###まずは市場に飛び出す。
Masonは、Grouponのシステム開発をのんきに行っているつもりはなかった。スペシャリストを集めて徐々にチームを作ったり、フィードバックをたくさんもらうことはしなかった。その代わり、Grouponを立ち上げて地域の顧客を探しに行く事をすぐに行ったのだ。

最初に公開されたウェブサイトはWordPress上のブログで、それぞれのチームが共同購入のオファーを投稿する形でスタートした。正直、あまりかっこよくなかった。服を注文するために、サイズをメールでわざわざ送らなければならなかったほどだ。クーポンは、それぞれ印刷するためにPDFファイルとしてメールで送信されていた。だが、これが意外にも好感触だったのだ。人々が興味を示していることが、これでわかった。

初期チームはその製品とは裏腹に当初まとまっておらず、7人ほどの様々な場所でそれぞれのことをしているメンバーだった。全員でGrouponを様々なビジネスに広めていった。たった1人で全てのオファーの管理をしていたというのだから、驚きだ。とはいえ、このビジネスは人々から好かれ、広がっていったのである。

私個人の意見としては、このアプローチ方法は、とても良いのではないかと思う。数ヶ月もかけて、誰も使わないであろうウェブサイトを立ち上げるのは無意味ではないだろうか。もちろん、良いサイトは初期段階からある方が良いのだが、実際にユーザーにサービスを使ってもらう事の方が大切だろう。

###広めやすいオファー
Grouponのチームは、シェアしやすいオファーに絞ることも決めた。人との交流が伴うものを重点的に広め、例えばレストランやカフェのディスカウントや、映画のチケットのディスカウントなどを中心にしていった。これにより、ユーザーは 1. 友人や家族を誘う事ができる 2. クーポンに記載されている数の人を集めたい という2点から、オファーを人と共有しやすく、Grouponが広まるようになった。

###彼らのようなビジネスをするには?
Grouponのようなビジネスチャンスを掴むのは、難しい事ではない。
例えば、小さなビジネスを営む経営者が広告を打ちたいとき、地方新聞に広告を載せることがあるだろう。数百万円もかけて広告をだして、その上で人が集まる保証はない。経営者は不安な日々を過ごすことになるかもしれない。

その点、Grouponは違う。無料で注目を浴びることができ、経営者は、顧客が自分のオファーを購入した時に初めてコストを支払うことになる。更に良い事に、オファーを買う人が一定数いて、しかもオファーを出す価値のある期間のみ、参加することができる。このリスクの低さは、小さなビジネスにもGrouponを利用するメリットを与えることができた。 Grouponは、今まで小さなビジネスの経営者がしたことのないマーケティング方法で、今までの広告の概念を覆すこととなったのだ。
もちろんそれだけで終わらず、クーポンを購入した人々は店を訪れ、Grouponのメリットを最大限に活用して家に帰っていく。

もうわかっただろう。この記事では、Grouponの成功の裏にあったものを紹介してきた。彼らがしてきたことを振り返れば、私たちに有益な情報が様々なところにちりばめられていると思う。

あなたの提供しているサービスは、一貫性があってわかりやすく、一定の質が保たれているだろうか?GrouponはThePointのミスからそれを学んだのである。

訪問者がサイトを離れた後、何かしらの方法でまたサービスを受けるチャンスを設けているか?Grouponは、メールを活用してフォローするようにしている。

新しいサービスを開始する前に、開発に時間をかけすぎてはいないか?MasonはWordPressのブログサービスをうまく活用し、サービスのテストを行った。ユーザーを増やす前に完璧な開発をするよりも、サービスの手応えをテストすると、様々な面でのメリットがあるのだ。

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Grouponのビジネス方法には、どのウェブサービスにも通ずるポイントがあったと思います。一度獲得したユーザーを離さず、何度でも戻ってきてもらうチャンスを設けることで、リピーター率を上げる事も出来ますね。

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