公開が目前に迫った劇場版『シドニアの騎士』マスコミ向け以外で初の先行試写会がTOMにて開催!

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2015年2月21日。いよいよこの日がやって来た。
Tokyo Otaku Mode主催の劇場版『シドニアの騎士』先行試写会。
参加者による懇親会も兼ねたこのビッグイベントのスタートを2時間半後に控えた午後1時30分、私は会場となるTOMオフィス9Fの入口ドアをくぐった。ふだんはTOMイベントウォッチャーとして脇で取材し、レポート原稿を書くことを主な業務としているが、今回は司会進行の大役も仰せつかっている。TOMのイベントスタッフとともに、事前準備に臨む段取りになっていたのだ。

会場設営、映像ならびに音響チェック、会の進行確認、その他もろもろの準備が完了。あとは参加者の到着を待つだけとなった。
今回のイベントの参加予定人数は、抽選を突破した一般参加のエンジニア・デザイナーの皆さん、特別ゲスト・関係者、TOMスタッフを合わせて総勢50人。受付開始の15時30分を過ぎるとともに徐々に会場の席が埋まっていき、開始時刻の16時前にはほぼ満席の状況となった。

さぁ、いよいよスタートである。

と思った瞬間、スタッフの1人が焦りの声をあげる。

「ヤバいっす。直也さんがまだ到着してません。タクシーで向かっているけど、道が混んでいてなかなか進まないそうです……」

なんてことだ……。直也さんとは、誰あろう特別ゲストの伊藤直也氏。TOMのアニメ観賞会のレギュラーメンバーであり、「先行試写会系のイベントをぜひとも実現してほしい」と声高に叫び続けてきた、大のシドニアファンである。

伊藤氏のアツい思いが制作関係者の心を打った部分もあると思われるので、イベント開催実現の功労者の1人と言うこともできる。
「直也さんがいないなか上映するわけにはいかないし、だからといって待つには限界があるし……」

さぁ、どうする? イベント開始時刻の16時はすでに3分ほど回っている。
と、そのとき、会場の入口に伊藤氏の姿が……。ホッと胸をなでおろすスタッフ一同。これにて役者はそろった。

上映に先立ち、まずはTOM CTO関根氏による開会宣言。
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TOMという会社の概要、ならびに今回のイベントの主旨と開催に至るまでの経緯について説明してくれることになっていた。しかし、登壇する際に、雰囲気づくりのために飾られていた継衛のプラモデルを蹴っ飛ばすという荒業を披露してしまう。

まさかの“関根マジック”に場内は騒然→大爆笑。場のムードはのっけから和やかなものとなった。

ちなみにこのプラモは、TOMエンジニアの新舘氏がイベントに間に合うように当日に突貫工事で仕上げた苦心作だった。
さては関根さん、狙ってやったな……(笑)。

関根氏の挨拶のあとは、私が注意事項やお願いなどを参加者の皆さんにざっとアナウンスさせていただいた。
念のため、劇場版『シドニアの騎士』の概要と見どころについても何点か……。

  • 本日上映する劇場版はテレビ版第1期の総集編である!
  • 主に戦闘シーンにおいて、テレビ版未公開のアングルカットが多数散りばめられている!
  • 劇場版のために制作された新規シーンが導入されている!
  • 音響効果も再制作され、オトがスゴイことになっている!

もちろん私はこの段階ではまだ観ていないので、すべての項目に「らしい」が付くのではあるが、絶対に期待を裏切らないことは確信していた。
高品質で面白いことは間違いない。会場は5.1チャンネルのサラウンド環境も整え、準備は万端だ。

そして、私の話を聞いている会場の皆さんが最も盛り上がった瞬間がここだった。
「劇場版の先行試写会は各所で行われますが、なんとコレがマスコミ試写以外では初なんだそうです。つまり、皆さんは関係者以外で、最初の視聴者になるわけです

一同、おおおーーー!!!

声があがるのも無理はない。ただでさえ、実現困難なイベント。
それがまさか、マスコミ試写以外で初だというのだから、私もその話を聞いたときは本気で驚いた。
これもひとえに制作やプロモーションに携わっている関係各所のおかげ。
ご協力いただいた関係者の皆さま、本当にありがとうございました! 改めまして、心より御礼申し上げます。

長い前置きはここまで。いよいよ上映開始である。
と振っておきつつ、もちろん、ネタバレになるため内容にはいっさい触れられない。
ただひと言、面白かった、スゴかった、観なきゃ負け、とだけ言っておこう(全然ひと言じゃないけど)。
新規シーンが流れたときは、
「ここできたかー!」
「しかも、そうきたかー!」
「その手があったかー!」
と心の中で叫びまくってしまった。
おそらく、場内に“同志”はたくさんいらっしゃったはずである。

本編2時間13分。その間、参加者は全員、シドニアワールドに完全に引き込まれていたと思う。そう言い切れるくらい、作品は圧巻の仕上がりだった。編集のクオリティはもちろんのこと、とにかく音がハンパない。
衛人たちが掌位して加速するたびに、会場の窓ガラスがガガガガガと音を立てて震えるんですよ、奥さん!
ああ~、書いていてもう一度観たくなってきた……。

エンドロールが流れる。
口を開く者は誰もいない。

最後のシーンがスクリーンからすっと消え、割れんばかりの拍手が場内に打ち鳴らされた。
参加者の表情は例外なく満足げ。
このあと懇親会が控えているが、先行試写会に関しては、大成功と断言できる状況にあった。やってよかった。来てよかった。このイベントにかかわった誰もがそう思ったに違いない。

なんていうかこう、達成感と一体感に満ちあふれていましたよ。このときの会場の雰囲気は。

その後、立食パーティースタイルへの約10分間の模様替えタイムを経て、懇親会に突入。

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言わずもがなこちらは、シドニアの話、仕事の話を通して、参加者の皆さんに交流を深めてもらうことが目的の会である。
準備が整い、まずはTOM代表の亀井氏による挨拶。
そして、上映開始にギリギリ間に合って事なきを得た伊藤氏による乾杯の発声へと移行していった。

「皆さん、もうおわかりですよね? TOMさんのブログ、読まれてますよね? 今日の参加者は何人ですか? だいたい50人? わかりました。では、いきましょう。五十機しょ~い!(掌位)」

一同、五十機しょ~い!!

こうして、お約束のコールを皮切りに、本日の第二部がスタートした。

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テーブルにズラリと並べられたビールにチューハイを飲みながら、ピザ、寿司、スナック類をつまみながら、何人かのグループで、あるいは1対1で、トークに花を咲かせる参加者の皆さん。

個々の話をすべて聞いて回ることは物理的に無理だったが、どうやら序盤戦は観たばかりの映画の話題で盛り上がっているようだった。
まさに、興奮冷めやらぬ、といったところだろう。

会場前方のスクリーン前では、亀井氏、伊藤氏、クロコスCTOの柄沢氏の仲良しチームが、急きょ駆け付けてくださった『シドニアの騎士』のプロデューサー・山崎氏の話に聞き入っていた。

劇場版制作の舞台裏の話やテレビ新シリーズに関する情報が山崎氏の口から発せられるたびに、「へ~、そうだったんですね~」「それはスゴい」「楽しみ!」というリアクションが飛び交う。
今回のような先行試写会の開催意義や次回開催の可能性についてなど、山崎氏の話はワクワクするようなものばかりだった。

関係者の方がわざわざ来てくださっているということで、ここで歓談タイムをいったん中断し、場内の皆さんに山崎氏をご紹介!
「今日はなんと、シドニアのプロデューサーの方がいらっしゃっていますので、ひと言ご挨拶をいただきたいと思います」
ここで本日二度目の、

一同、おおおーーー!!!

関係者の登場というサプライズな出来事に、場内は大きな拍手と歓声に包まれた。
シドニアに対する愛に満ちた山崎氏の言葉に頷く皆さん。イベントスタッフとしても、改めてこのような機会を与えてくださったことに対する感謝の念が込み上げてくる。山崎さん、貴重な時間を割いてお越しいただき、また、ステキなスピーチまで披露していただき、本当にありがとうございました!

さてさて、気付けば懇親会スタートから1時間50分。あっと言う間に時は流れ、そろそろお開きの時間が近付いてきた。
場内のそこかしこから談笑の声がまだまだひっきりなしに聞こえてくるが、さすがにエンドレスというわけにはいかない。
関根氏に閉会の挨拶で最後をまとめてもらい、愉快で楽しい懇親会を、泣く泣く締めさせていただくことになった。

笑顔で会場をあとにする皆さん。なかにはこんな嬉しいことを言ってくださる方もいた。
「これまでエンジニア向けのイベントにたくさん参加してきましたが、間違いなく今回がいちばん楽しかったです♪」

初の試みゆえに、至らぬ部分は多々あったと思う。さすがにパーフェクトだったとは言えない。
しかし、イベント自体はおおいに盛り上がり、多くの皆さんに楽しんでいただけたことは間違いない。
大成功だった―――手前味噌ながら、そう表現してもいいだろう。
「第2回」が実現できたならば、また同じような時間を皆さんと共有したいと願うばかりだ。

いま、この記事を書きながら私はあることで悩んでいる。
劇場版を改めて観に行こうかと。
一般的なオフィスの環境であれだけスゴかったんだから、本物の映画館で鑑賞したらいったいどんなことになるのか……。その真の魅力を、五感全体で味わいたい……。

劇場版『シドニアの騎士』は、そう思わせるだけのハイクオリティな作品だった。

加えて、公式サイトのニュースページでこんなお知らせを見つけてしまったのだから困ったものである。


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チャンスは限定公開される3月6日(金)からの2週間。
もう、悩んでいるヒマはない。
行くしかない。
私の体中の細胞が、そう訴えかけてきている。

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