CTO/エンジニア総勢10名でアニメ鑑賞会をしてたら本音が止まらなくなって…(後半)

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決して忘れていたわけではないのだ。劇場版『シドニアの騎士』先行上映会の開催が急きょ決まったり、参加メンバーそれぞれに内容を確認してもらったりしていたら、公開するまで予想以上に時間がかかってしまったのだ。

なんのことかって?

え~、2014年12月に開催されたTOMアニメ鑑賞会の後半戦の模様をお伝えする記事に関してである。前半戦の内容は2月5日に公開。「続きはまたの機会に!」と書いておきつつ、約3カ月も放置プレーすることになってしまった。本当にごめんなさい。ようやく準備が整いました。

というわけで、後半戦である。いきさつをご存じでない方、忘れてしまった方は、ぜひコチラコチラに目を通されたあとにご覧いただきたい。それでは、エンジニアの皆さんが忌憚なき意見をぶつけ合った後半戦の模様をお楽しみいただこう。

参加メンバー(※敬称略、五十音順)
•石井 慧(元FreakOut)
•伊藤 直也(Kaizen Platform, Inc. 技術顧問)
•今村 雅幸(VASILY CTO)
•亀井 智英(TOM CEO)
•重岡 正(TOMエンジニア)
•竹内 秀行(ユーザベース CTO)
•新舘 邦貴(TOMエンジニア)
•堀木 洋志(TOMエンジニア)
•丸山 有彗(TOMエンジニア・インターン)
•三河 正宜(TOMエンジニア)
•文字 拓郎(ユーザベース エンジニア)


堀木 アニメを観終わったあといろいろな話題で盛り上がりたいと思いまして、こんなパネルを用意してみました。

堀木 今年(2014年)なにをやったかなぁということを、みんなすぐに思い出せないと思いますので、それっぽいトピックを集めてみました。これを見ながら話題を決めていこうかと。

一同 お~(笑)。

重岡 日本語が少ないけど。リモートワークとチームビルディングとか(笑)。

伊藤 しかも、アニメはシドニアだけとか(笑)。

一同 笑

竹内 SAOも入ってる、SAOも。

重岡 完全に個人的嗜好に偏ってますね。

一同 笑

堀木 いちおうですね、WEB+DB PRESSとかRebuildの今年のぶんをざーっと並べて、そこからトピックを拾ってきました。

伊藤 アニメを観たあとだから、アニメの話がいいな。

竹内 SAOですか?

伊藤 今年はSAOとシドニアの騎士ぐらいしか観てないから。

堀木 ホントですか? そして来年も、シドニアが……。

伊藤 そう、来年はシドニアの二期が始まるので、全裸で観るつもりでいます。

一同 笑

堀木 全裸待機(笑)。

伊藤 大変なんですよ、その~、シドニアはネタバレを踏まないように生きていくのが。SAOも原作のほうが先行してるから、けっこうみんなさらっとネタバレしちゃうんですよね。

竹内 あ~。

伊藤 わりと本気であの世界に行きたいなって。

堀木 行きたいですね~。

伊藤 俺が死ぬまでにSAOの世界が実現されるかどうかが勝負ですよ。

亀井 ところで、今年のエンジニア業界のいちばんの大ニュースってなんですか?

一同 いちばん……。

(パネルを見て)

堀木 僕はHeartbleedなんですけど。

一同 あ~。

堀木 あとはあれかな、脆弱性関連でShell Shockもビックリしましたね。rebuildとか、そこらへんからテーマを集めてきたんで、わりと直也さん、関連する話が多い気がするんですけど。

伊藤 そうっすねぇ。

―――(中略)―――

石井 新しいものを導入するのって、CTOの方の一存なのか、周囲がやりましょうよっていうのか、どういうノリなんですか? 始めるときって。

今村 あ~。いまはものによって半々くらいですね。SlackとかQiita:Teamとか、そういうのは僕から言ったりとかするんですけど。ミドルウェア系のやつとかは、けっこう現場主導って感じですかね……。

石井 Slackとか、エンジニア以外の方にも、シュッとこう、一緒に導入する感じになるんですか?

今村 ああ、それはもう、大号令で、シュッと。

石井 シュッと(笑)。

竹内 え、全社的に導入してるんですか?

今村 してます、してます。100人くらいですかね。

伊藤 マジすか?

今村 通知もSlackに集約させたりとかって考えればまぁ……。

竹内 楽ですよねぇ。

今村 あとは社外の人に対しても、このチャンネルだけ、とかできるのがいいかなぁ。

亀井 VASILYって、いまエンジニアは何人くらいいるんですか?

今村 15から20のあいだですねぇ。

亀井 ユーザベースはどうですか?

竹内 いま、30から40くらいです。

一同 おぉ。

亀井 ウチ何人だっけ? 外部の人とかパートナーの人とかを合わせて。

重岡 15くらいですか……。Kaizenさんは、いま何人ですか?

伊藤 60人くらいかな。

一同 おー!

重岡 急にガッと増えたんですか? もともとそうでしたっけ?

伊藤 社員は38人とかなんですけど。てか、そもそも僕は社員じゃないし。だからそういう業務委託系の人と、あとは派遣で10人くらい来てるかな。

重岡 どこも規模が違いますね。10人台、30人台、60人って。

伊藤 でもだいたい、30人と60人って、あんま変わんないですよ。組織の規模感的に。

亀井 あ、そうなんですか。

伊藤 だいたい30人を超えてきたくらいのときに出てきた悩みって、いったん解決したあと60人くらいまではそのままスケールするんですけど、70~80人を超えるとまた別の悩みが出てきますよね。

堀木 CTOとか、なんか会社によってやってることが……。

石井 転機が来るとしたら、どのへんの大きさでガーッと変わるとかってあるんですか?

今村 CTO職の役割ですか? えー、あ、でも最近変わりましたね。20人くらいになったので。

伊藤 そのくらいで一回変わりますね。

今村 いままでずーっと自分で全部見ていて、知らないと気持ち悪かったけど、もう、そういうわけにもいかなくて……。自分の知らないところをこいつに任せて、こいつをどこまで信じるかっていう。基本的に任せてますけどね。

竹内 そうですよね。

今村 この壁を突破するのが、けっこう自分のなかでは……。デカい壁でしたね。把握していないと気持ち悪い問題が起きるんで。

竹内 わかります。

今村 このあいだ、なんかCTOが100人くらい集まるイベントがあって、けっこうみんなおんなじ悩みを抱えていましたね。

一同 笑

今村 朝から100人くらいの男が缶詰で、ずっとそれについて話してました。

石井 なんか一回経験した人に相談すると、解決するような感じではないんですかね?

竹内 セオリーはないですからねぇ。

伊藤 でもねぇ。みんな一回は悩まないと、なんて言うんですかね、悩んだことによって、なんて言ったらいいんだろうなぁ……。例えばさっきの全部把握できない問題っていうのは、自分のエゴとの戦いなんですよ。

一同 うんうん。

伊藤 あと、CTOとかになって20人とか30人とか部下ができると、やっぱある程度は嫌われるってことを覚悟しなくちゃいけなくて、全員の希望を叶えることは絶対にできないから、相手に好かれたいって思っているとマネージメントができないんですよね。だからどこかで線を引かなければならない。悩むことなくそういう精神状態に到達できる人なら、最初からできてるよって話だし。

一同 笑

―――(中略)―――

丸山 Qiita:Team以前ってみなさんどうやって情報共有されていいたんですか?

今村 Confluence……。ヤフーのときはConfluenceでしたね。

伊藤 最悪ですよね。

今村 めちゃくちゃ重いんですよ! どうJVM調整しても重いっていう……。でも、Qiita:Teamとかに移そうとしても、企画の人たちがうまく使えるかという面が不安で。エンジニア的にはなにがいいかって、けっきょく情報共有プラス情報発信も兼ねてるっていうのがあって。そういうふうにやってます。

堀木 そのへんは難しいですよね。非エンジニアにどうやって使ってもらうかって。どうやら、非エンジニアの人は文字をでっかくしたくなるらしくて。

今村 すごくわかりますね。

堀木 僕らはブログをマークダウンで書いてるんですけど、文字をカラフルにしたいとか、文字を大きくしたいんだけど、どうしたらいいの?みたいに聞かれて(笑)。

一同 爆笑

今村 マークダウンでフォントとか変えたいみたいな。

伊藤 フォントタグを教えるしかない。

一同 爆笑

竹内 メールなんかでも色出るなぁと思って、HTMLメールだとカラフルにはしないですけど、エンジニアじゃない人たちが文字を大きくしたりとか。

堀木 赤字! 重要とか!

伊藤 あの人たちは本当に重要だったら話かけてくる。メールが来ている時点では、あんまり重要じゃないってことです。Kaizenはリモートワークだから、話しかけれられたくない人は自宅にいますね。

亀井 選んでいいんだ?

伊藤 選んでいいんです。ただ週に一回か二回は来てねというのはあります。

亀井 FreakOutだと、こういうのをやってたよっていうのはあったりするんですか?

石井 基本的にエンジニアとセールスをブリッジするセクションがあって、もともと僕はそこにいたんですよ。サードパーティーのベンダーさんとかかわったりとか。そこでいろんなシステムとかかわったりする部署をサポーティングするってことになっていました。営業の会社だったので、営業の人の帰りが遅くなると、連鎖的にそのぶんまで残らなきゃいけないという感じで(苦笑)。

亀井 営業はどのくらいいたんですか?

石井 広告代理店にほぼ近いので、営業は半分くらいですね。エンジニアも20名前後だったと思います。

亀井 そんな少ないんだ!?  エンジニアの会社ってイメージあるけどなぁ。

伊藤 ブランディングがうまくできている。

亀井 ホンダさんとかがやってるし、そんなイメージありましたけどねぇ。

石井 全然。メインのプロダクトを作ったり、アプリケーションを作ったりするセクションもありますが、実際にはエンジニアがたくさんいるというわけじゃなかったんですよね。

竹内 弊社ではこの前代表の梅田が、1カ月休みを取らせるっていって本当にやるのかって戦々恐々してるんですけど。

亀井 1カ月!?

竹内 全社員1カ月休みを取らせるとか言って。

伊藤 いいですねぇ。僕、強制的にでも休みは作ったほうがいいんじゃないかと思います。

竹内 現時点でも年2回2週間休めるみたいな制度はあるんですけど。それをさらに進めて1カ月って。大丈夫かな……。

―――(中略)―――

丸山 皆さん的にうまくやってると思えるところってありますか?

亀井 外から見るのと中から見るのとではやっぱり違っていることもある。鴨とかが水面スーッと移動しているように見えるけど、実は足元でめっちゃ泳いでるみたいな。

今村 どのベンチャーも上はけっこう綺麗というか、うまくやってると思いますけどね。下は藻が絡まってる(笑)。

一同爆笑

今村 いつ溺れてもおかしくないってのはけっこうあると思いますよ、本当に。いい面だけをTechCrunchに載せるとかあるので。

伊藤 どこもそうですね~。

今村 会社やサービスの規模によって抱える悩みも変わってくる。

伊藤 伸びているサービスって基本的に問題は起きるから、片付けるより問題が発生するスピードのほうが早い。でも、そのなかで叩かなきゃいけない問題に優先度を付けて叩くと、どうしても他がほったらかしになる。

文字 動けば藻が絡まる、ですよね。

伊藤 いまKaizenってB to Bじゃないですか。B to Bはねぇ、コントロールしやすいんですよ、すごく。この機能まだ信頼性低いからあんまり推さないでと営業の人に言ったりとか。B to Cのサービスは自分の作ったものが化け物みたいに育っていくので、自分が作ったサービスに横から殴られるみたいなことも起こりかねない。

一同 ワッハッハ

伊藤 そういうことが起こるから。それはもうどうしようもないっすね。

亀井 確かに。ウチも売れ筋商品が欠品してることがいちばんヤバイ。どうなってるんだよって矛先を向けても、やってる人たちは夜とか土日とかも頑張ってるんですよ。でも回っていない。

丸山 そもそもなんで売れるかがわかっていないものもありますよね。

今村 すごく大変そうですね……。

竹内 在庫リスクが。

亀井 ロジも自分たちでやっていて、倉庫も借りてパートナーの人たちにちょっと入ってきてもらってるんですけど、売上が上がれば上がるほど倉庫のコストも上がってちゃうので自社倉庫にしようって。

今村 ロジも全部持つと超大変ですね。僕らもロジっていうか、服を直接売るのは怖くてできないですね。

亀井 最初はカート機能がないから、2つ商品が欲しいときに2回決済しなくちゃいけなかったんですよ。とんでもないクソ仕様だった。

堀木 最初のほうGumroadでした。

今村 Gumroad!?(笑) Gumroad!!!???

堀木 1週間で立ち上げろって言われたんで、なんとかして立ち上げる方法を(笑)。

亀井 去年(2013年)の12月の売上は400万円くらいだったんですけど、今年ようやく売上が億単位の可能性が出てきたんで。

竹内 億単位の発送ってすごそうですよね。しかも海外発送だと面倒くさそう。

―――(中略)―――

竹内 TOMさんのヘッドクォーター、アメリカなんですよね?

亀井 はい、そうです。登記してるのはデラウェアで、オフィスがロサンゼルス郊外のトーランスにあります。セントラルに出すことはEコマースにとってはいいことかなと思っていて、どっちかに偏っちゃうとロスが起きますからね。

石井 カリフォルニアのうほうは、ランチ食べて20ドルとかですよね。

堀木 そう、生活費がけっこうかかりますよね。

石井 ランチそのものは15ドルとかだったりするんですけど、そこからtaxとチップが入るんで結果20ドルになるんですよ。

堀木 表参道も高いですけどね。

亀井 でも1000円あれば食べられるじゃん。

文字 安い安い。

一同 確かに。

伊藤 じゃあ、今日はそろそろ終わりにしますか……。

亀井 そうですね。では皆さん、来年もやりますんで、よろしくお願いします。

堀木 今度は楽園追放をBDで。

一同 それ見たい!

亀井 来年は楽園追放とリトルウィッチアカデミアの最新作が出てきたタイミングでやりますか。

堀木 来年出ますかね?

亀井 グッドスマイルカンパニーの安藝さんに相談して、いまできてるところまでとか。あとはシドニア?

伊藤 ぜひお願いします。いくらでも宣伝しますんで。

亀井 エンジニアを何人くらい集められるかわからないけど、たいしてお金かかならそうなんだよね。映画館1人1000円くらいで。

今村 むかし貸し切りましたね。なのはの絶叫で。めちゃくちゃ楽しかったですよ。

亀井 そういうのやりましょうか!

丸山 エンジニアだけの。

亀井 え、でもそれ200人くらい集められます? 何人かで協力して、連合組んでやろうとすれば。

伊藤 イケる気がする。

丸山 GitHub会議!

重岡 GitHub会議の2回目でやります?(笑)

伊藤 1回目は1000人集まったけど。

重岡 次に来たらシドニアでしたみたいな(笑)。

一同 爆笑

丸山 1000人掌位(笑)。

伊藤 そんなことしたらねぇ、僕、いろんなものを失う。

一同 大爆笑

亀井 作品中のマックスは何人掌位だったっけ?

竹内 256。

亀井 アレを超える!

伊藤 200人とかだったらいけるんじゃないかな。

亀井 じゃあ、TOHOシネマズ渋谷あたり借りてやりましょうよ。

伊藤 200人、いけると思います。

亀井 じゃあそんな感じで。

一同 今日はありがとうございました~。


そしてこのあと、シドニア先行試写会@TOMが実現するという“事件”に発展していったことはすでにお伝えしている通り。シドニア先行試写会以降、アニメ鑑賞会関連の新たな動きはまだない様子だが、TOMイベントウォッチャー(自称)としては、今後もっとビッグな事件が起こることを期待するばかりである。

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